神戸金史さんと長男の金佑さん=5月、神戸さん提供
「息子よ。そのままで、いい」「あなたが生まれてきてくれてよかった」。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が犠牲になった事件のあと、自閉症の息子を育てた父親が詩をつづった。事件から3カ月となる26日、1冊の本を出版する。
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「長男に障害のない夢、何度も見た」 FBで1万いいね
詩を書いたのは、RKB毎日放送東京報道部長の神戸金史(かんべかねぶみ)さん(49)。植松聖(さとし)容疑者(26)=鑑定留置中=が「障害者なんていなくなればいい」などと供述していると知り、「心の内側をやすりで削られたように感じた」という。事件の3日後、自閉症の長男、金佑(かねすけ)さん(17)への思いをフェイスブックに投稿した。
金佑さんにもし障害がなかったら、もっと楽に暮らしていけたかもしれない――。詩はそんな想像から始まる。だが、金佑さんの存在が家族をかたち作り、誰もが次第に体が不自由になっていくことに思い至る。「健常者と障害者は、なだらかにつながっている」と金史さんは言う。「障害がある子も、ゆっくりだが確実に育つ。手がかかる分、かわいいし、意思疎通ができた時はとてもうれしい」
「それで、うちの子。それが、うちの子」。そう書かれた詩は2600を超えてシェア(共有)され、1万1千を超える「いいね!」を集めた。各種のニュースサイトでも紹介され、たくさんの人に読まれた。
元毎日新聞記者。自閉症の子ど…