事件をめぐる相関図
堺市北区に住民票がある男児(4)が行方不明になり、父親(35)と母親(32)=同区=が今月、児童手当などの詐欺容疑で大阪府警に逮捕された事件で、父親が逮捕当初、「(男児は)階段から落ちて死んだ。遺体は海に捨てた」と供述していたことが、捜査関係者への取材でわかった。父親はその後、供述を撤回し、詐欺容疑も否認しているという。府警が慎重に確認を進めている。
4歳男児不明、児童手当詐取容疑で両親逮捕 大阪・堺
府警によると、父親は鉄筋工の梶本卓容疑者、母親は千穂容疑者で、男児は2人の長男の樹李(たつき)ちゃん。
2人は今月18日、昨年4月~今年2月、すでに不明になっている樹李ちゃんの児童手当や子育て世帯臨時給付金を申請し、当時住んでいた大阪府松原市から、計36万2千円をだまし取った疑いなどで逮捕された。ともに詐欺容疑を否認し、現在は樹李ちゃんの所在について「今は言えない」と話しているという。
両容疑者は、2012年4月に大阪府富田林市が、生後まもなくから「安否を確認できていない」と発表した別の男児(当時9)の叔父と叔母。府警は13年7月、この男児の遺体を遺棄した疑いで両容疑者らを書類送検したが、公訴時効(3年)が成立しているとして不起訴となっていた。