差別を扇動する「ヘイトスピーチ」のデモへの抗議活動を続ける川崎市川崎区の在日コリアン3世、崔江以子(チェカンイジャ)さん(43)が、インターネット上の差別的な書き込みで自身や長男の中学生中根寧生(ねお)さん(14)の人権を侵害されたとして、横浜地方法務局に救済を申し立てた。法務局は書き込みを「人格権を侵害する違法行為」と認定し、寧生さんを標的にした書き込み4件の削除を米ツイッター社に要請した。
在日コリアンが多く住む川崎市の桜本地区を標的とする排外的なデモに対し、崔さん母子は地元を守ろうと抗議活動に参加。3月には参院法務委員会で被害を訴え、ヘイトスピーチ対策法成立に結びついた。崔さんらの訴えを受け、横浜地裁川崎支部は6月、桜本地区周辺でのデモを禁じる仮処分決定を出した。法務省はデモが人権侵害にあたると認定し、主催者の男性に同様の行為を行わないよう8月に勧告した。
ところが「国に帰れ」などと崔さん母子を中傷するインターネット上の書き込みがやまず、脅迫にあたる悪質な内容も含まれていたことから、崔さんは8月上旬に警察に相談。9月16日に法務局に申し立てた。
対策法施行を受けて法務省人権…