現存例としては東アジア最古となる鮫皮の柄飾り。細かな粒状の文様が見える=えびの市教委提供
宮崎県えびの市の島内(しまうち)139号地下式横穴墓(よこあなぼ)で出土した6世紀前半の副葬品について、大刀(たち)のひとつの柄(つか)に使われた鮫皮(さめがわ)の装飾が東アジアで最古、別の大刀は古墳出土品のなかで国内最長であることがわかった。市教育委員会が24日、発表した。いずれも高い社会的地位の象徴で、大和政権の中核を担った有力者の存在を示すという。
同横穴墓は、地下に墓室を掘り込む鹿児島・宮崎両県に特有の古墳時代の墓。2014年から15年にかけて発掘調査され、甲冑(かっちゅう)や武器、馬具など豪華な副葬品が見つかった。市教委はこれらの保存処理と科学分析を、奈良県の元興寺文化財研究所に依頼していた。
その結果、被葬者のわきに並べられていた2本の大刀のうち、銀装円頭大刀(全長約85センチ)の柄には、細かな粒状文様が特徴の鮫皮(エイの皮)が巻かれており、実物で確認できる東アジア最古の「鮫皮巻」だという。朝鮮半島の百済製らしい。これまで知られていたのは奈良・東大寺金堂の鎮壇具(ちんだんぐ)や正倉院宝物など奈良時代の例だった。
木製柄頭(つかがしら)を持つ…