重機で持ち上げられる灰皿=26日午後1時45分ごろ、高知県香美市土佐山田町秦山町3丁目、森岡みづほ撮影
26日午前7時15分ごろ、高知県香美(かみ)市のスーパー「マルナカ土佐山田店」の店長(46)から「店外の灰皿から時計の音がする」と県警に通報があった。県警は爆発物の可能性もあるとみて、スーパーの半径50メートルを一時封鎖。機動隊の爆発物処理班を出動させて灰皿を撤去した。しかし爆発物は見つからず、灰皿の土台付近にいた虫が音を出していた、とみている。
南国署などによると、金属製灰皿(縦約30センチ、横約30センチ、高さ約1メートル)は店の前に設置されていた。店長が午前5時半ごろに出勤した際、灰皿から「カチカチ」と時計のような音がするのに気づいた。約1時間半後に再度確認しても、やはり同じ音がしたため、署に通報したという。
爆発物処理班が午前9時ごろに出動。灰皿をX線撮影するなどして分析し、重機を使って午後2時半ごろに撤去を終えた。灰皿の土台として敷いていた発泡スチロールの中から見つかったのは虫。スーパーの店長によると、種類はわからないが、小豆色で、さなぎのような状態だったという。
この騒ぎで消防車、救急車も出動。南国署員らが交通整理に追われ、あたりはものものしい雰囲気に包まれた。現場から約600メートル南東にある香美市立山田小学校(児童472人)では26日午後の約2時間、全児童を校内に待機させた。その後、教員が引率して全児童を集団下校させた。
松崎加余子教頭(55)は「子どもの安全確保を第一に考えて対応した。すごく心配だった」と話した。
現場はJR土讃線土佐山田駅から西約700メートルの住宅や畑が混在する地域。