2010年度の海の王子に選ばれた際の小室圭さん(右端)=藤沢市提供
「海の王子」効果で藤沢ブームがやってくるか――。秋篠宮家の長女・眞子さま(25)との婚約準備が進む小室圭さん(25)が学生時代に務めたことで注目される「海の王子」。人気観光スポット・江の島を抱える神奈川県藤沢市のPR役だが、今回ほどの注目を集めたことはなかった。地元では「市の知名度アップにつながるのでは」と急速に期待感が高まっている。
白シャツ着こなす「海の王子」 眞子さま交際の小室さん
「『愛することの大切さ』を実感させてくれました」。江の島には、2010年度の王子だった小室さんが藤沢市観光協会のウェブサイトにそう記した場所がある。島の頂上部の「龍恋(りゅうれん)の鐘」だ。「永遠の愛」を誓った多くのカップルの名前が書かれた錠が並ぶ。13年のヒット映画「陽(ひ)だまりの彼女」にも登場した。
18日昼に観光で訪れたのは香川県丸亀市で飲食店を営む三井(みい)伸一さん(44)と英子さん(37)夫妻。「お幸せに」と若い二人を祝福した。
島内の江島(えのしま)神社には、良縁祈願の妙音弁財天像と大きな縁結びのイチョウの木がある。岡田永庸・権宮司は「江の島全体にとっておめでたいこと。多くの方に訪れてほしい」。例年、海の王子らと観光PRのキャラバンに出かける江の島振興連絡協議会の湯浅裕一会長は「ぜひお二人で江の島に」と笑顔で語った。
■注目浴び「後輩の励みに」
連日、メディアで「海の王子 湘南江の島」のたすきをかけた小室さんの写真や映像が紹介され、がぜん注目を浴びる「海の王子」。だが実は、地元・藤沢市でさえ、メジャーな存在とはいえなかった。
戦後、「ミス弁天」「ミス藤沢」「ミス貝姫」と続いたコンテストを受け継ぎ、1996年に始まった。市観光協会が選んだ海の女王と海の王子が各地を訪れ観光PR活動を行う。
近年、注目度は低く、今月14日に市内であった今年度の「女王・王子」のコンテストにも報道陣の数は少なかった。
各メディアの冷たい扱いに、観光協会の担当者らは内心、悔しい思いをしてきた。長く女王・王子の「教育係」を担当する荒井ひろみさん(42)もその一人。
16日夜に眞子さまと小室さんの「婚約準備」のニュースが流れると、取材依頼が荒井さんに殺到。同夜だけでなく翌日も会見を開いた。協会のウェブサイトはアクセスが集中、つながりにくい状態が続いた。
今年度の女王、王子に選ばれた5人は6月に江の島で体験学習を受け、あいさつの仕方や立ち居振る舞いなどマナー研修も受けた後、7月1日の海開きが「初仕事」となる。荒井さんは「これだけ注目されるのはかつてなかったこと。5人の励みにもなる。自分もしっかりやらないと」。