■360度動画「いきもの目線」
お堀に囲まれた「小島の森」をボリビアリスザルが飛び回っている。撮影機材を抱えて島に入ると、好奇心旺盛なリスザルたちが近寄ってきた。ビデオカメラに乗ったり、レンズをのぞき込んだり……。三脚はリスザルで飾られたクリスマスツリーのようになってしまった。
他の「いきものたち」の動画はこちら
福岡市東区の国営海の中道海浜公園はボリビアリスザルの飼育数が日本一。歩いて約3分ほどでまわれる島に、約110頭を飼育している。今年は14頭の赤ちゃんを確認。生後3カ月ごろまでは母親の背中にしがみついて暮らす姿が見られる。
飼育員の阿野隆平さん(26)が鳴きまねをすると集まってきた。手のひらよりも小さな360度撮影用カメラを土に埋めて固定しようとしたが「そのままでは、カメラを持っていかれますよ」と阿野さん。テント張りに使うような固定用ペグとネットを借りて、カメラを固定。
オヤツのピーナツやサル用飼料をカメラの周りにぐるっとまくと、あっという間に囲まれた。「キッキキ」と甲高い声で鳴いたかと思えば、鳥のさえずりのような声も聞こえる。
ボリビアリスザルの好物は虫。トンボを捕まえようとする様子を何度も見た。体重約1キロ、体長約30センチの小型のサルで、群れで行動する。泳ぐのは苦手だ。
リスザルは世界に4種類いて、そのうちコモンリスザルは霊長類で初めて宇宙に行ったサルとして知られる。(竹谷俊之)