現場周辺は警察官によって規制線が張られていた=東京都中野区中野6丁目
3日午前0時半ごろ、東京都中野区中野6丁目のアパート2階の通路で、住人の20代の中国人留学生とみられる女性が血を流して倒れているのが見つかった。首を刃物で複数回刺されており、病院で死亡が確認された。警視庁が殺人事件として捜査している。
中野署によると、女性は帰宅した直後にアパートの通路で被害に遭ったとみられ、異変に気づいた同居の知人女性が通報した。通路に不審な男がいたが、警察官が現場に到着した時には立ち去っていたという。署はこの男が何らかの事情を知っているとみて調べている。
現場はJR中野駅から東に約1キロの住宅街。隣のアパートに住む50代の女性は「ぎゃーっという女性の声がして、一回静かになって、またすごい悲鳴が聞こえた。男女がいたみたいだった」と話した。
■「ドン!」という音、倒れる女性
事件現場となったアパート周辺は規制線が張られ、被害者とみられる女性の部屋の前の通路には大量の血痕が広がっていた。
この女性がアパートで暮らし始めたのは昨年3月。都内の大学に通う中国からの留学生だった。24歳で、入居時には大家に中国の漬けものを持ってあいさつに来た。「感じのいい人だった」という。
事件が起きたのは3日午前0時過ぎ。隣のアパートに住む50代の女性は、「ぎゃー!」という激しい悲鳴を聞いた。ドタバタと争うような音がした後、もう一度大きな悲鳴が聞こえた。「普通じゃないと思っていたら、警察や消防がたくさん来た」
アパートの同じ階に住むアルバイト女性(29)は、玄関先で「ドン!」という音を聞き、ドアを開けた。女性が通路で倒れており、部屋から「彼女が危ない」「早く来て」などと助けを求める声が聞こえたという。
近くに住む70代の女性は2日夕、現場となったアパート2階の廊下で、女性2人と男性1人が中国語で口論しているのを見た。3人はその後、アパートの入り口まで移動し、20分ほど口論を続けたという。(遠藤雄司、根津弥)