環太平洋経済連携協定(TPP)承認案の衆院特別委員会での採決強行を受け、民進党は山本有二農林水産相の不信任決議案を衆院に提出する方向で調整に入った。8日にも提出したい考えで、共産、社民、自由3党にも同調を呼びかける見通しだ。
「国際協定よりも、強行採決が最優先」 蓮舫代表
民進党国会対策委員会の幹部は5日、「現時点で山本氏を追及する手段が他にない。与党にも山本氏は辞めるべきだと思っている人がいる」と説明。失言を2度繰り返した山本氏への不信任案提出は必要だとの考えを示した。別の幹部も「不信任案を出すのは間違いない」と述べた。
同党の蓮舫代表は5日、大阪市内で記者団に「(提出を)視野には入れているが、まだどの段階でと言うところには至っていない」と述べるにとどめる一方、「(政府・与党は)国会軽視以外の何ものでもない。山本氏の問題も何一つ解決していない。引き続き厳しい姿勢で臨みたい」と発言。週明け以降の国会審議についても「影響がないとは言い切れない」と語った。
安倍政権は山本氏を続投させる構えで、与党は8日の衆院本会議で承認案を通過させる方針。民進党は週明けの与党側の出方や、国会で共闘している他の野党の対応なども見極め、提出時期などを探りたい考えだ。