熊本地震の被災地を訪れ、中学校の体育館に避難している住民に声をかける天皇陛下=今年5月、熊本県南阿蘇村、上田幸一撮影
天皇陛下の退位をめぐり政府が設けた「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長=今井敬・経団連名誉会長)は、天皇の公務縮小についても提言する方向で検討に入った。来春をめどとする会議の提言では退位の是非が焦点になるが、高齢化時代の天皇のあり方を考える上で、膨らみ続ける公務の見直しも必要だと判断した。
有識者会議の関係者が明らかにした。会議は11月中に歴史や憲法などの専門家16人にヒアリングした後、12月7、14両日に今井氏ら6人の会議メンバーによる会合を開くことも決めた。年明けに公表する論点整理の取りまとめ作業に入る。提言は、論点整理後の来春に出す予定だ。
会議関係者は、天皇の公務について「有識者会議を通じて現在の公務を分類・整理し、一定の基準に基づいた縮小を提言する必要がある」と指摘。退位の是非と公務縮小の双方について、論点整理や提言で一定の方向性を示す考えだ。
天皇陛下の公務は、宮内庁が陛…