厚生労働省は８日、大麻の管理徹底を求める通知を都道府県に出した。鳥取県から免許を得て大麻草栽培による町おこしに取り組んでいた会社代表の男性が先月、大麻取締法違反（所持）の疑いで逮捕された事件を受けた。大麻が乱用された場合に保健衛生上の危害が甚大だとして、免許審査でこれまで以上の十分な検討を要請、栽培地の監視を強化することなどを求めた。

畑で栽培の産業用大麻を押収 容疑者宅も家宅捜索 鳥取

麻製品や食品原料などに使われる産業用大麻は、都道府県から栽培者免許を取れば栽培できる。全国で免許を持つ個人・法人は１９５４年の約３万７千をピークに、２０１４年末時点では３３に激減している。

厚労省によると、男性は１０月４日、同県智頭町の自宅で乾燥大麻８８グラムを所持していた疑いで現行犯逮捕された。県の許可を得て、３年前から同町で大麻草を栽培し、種や茎から食品や衣類を作る会社を営んでいた。栽培許可を得た業者が同法違反の疑いで逮捕されたのは全国で初めて。所持していたとされる乾燥大麻は栽培したのとは別に、個人的に入手したと厚労省はみている。