埼玉県東松山市で8月、アルバイト井上翼さん(16)=同県吉見町=が遺体で見つかり、少年5人が傷害致死の非行内容で家裁送致された事件で、さいたま家裁(伊藤敏孝裁判長)は8日、東松山市の無職少年(16)をさいたま地検に送致(逆送)する決定をした。これで5人全員に家裁の決定が出て、2人が逆送、3人が少年院送致となった。
決定によると、少年は他の少年と共謀して8月22日、東松山市の都幾(とき)川河川敷で井上さんを殴ったり蹴ったり、顔を川に沈めたりする暴行を1時間以上にわたって加え、溺死(できし)させた。
伊藤裁判長は「事件の発覚を免れようと、被害者を人目のつかない場所へ運んで草木で隠すなど、積極的に関与した」「自らの意思で一連の行動を行った」と指摘。「刑事処分以外の措置を相当と認めることができない」と結論づけた。
さいたま地検は今後、成人と同様の裁判員裁判を受けさせるか検討する。この事件では、ほかに4人が家裁送致され、東松山市の無職少年(17)が逆送され傷害致死罪で起訴、14~15歳の中学3年生3人が少年院送致となっている。