大麻の医療利用 国内外の状況
乾燥大麻を隠し持っていたとして、元俳優の高樹沙耶容疑者(53)が逮捕された。「医療大麻の研究推進」を掲げて国政にも挑戦していた。医療用の大麻とは?
「医療大麻を導入することで、約40兆円ある医療費が削減できる。我が国でも有効利用できるように研究したらどうか」
参院選が公示された6月22日。新党改革から出馬した高樹容疑者は、東京のJR新橋駅前で持論を訴えた。結果は落選。獲得議席ゼロの新党改革は解散した。だが、その訴えは話題を呼んだ。
大麻草はアサ科の一年草だ。葉や花に含まれる成分のうち、テトラヒドロカンナビノール(THC)に特に強い幻覚作用がある。使うとやめられなくなる「依存性」は個人差があり、最近は、脳神経への影響を示す研究も複数報告されている。
日本では大麻取締法で、研究目的などで都道府県知事の免許を得ていない限り、所持や栽培、譲渡が認められていない。麻薬に関する条約の規制対象で、多くの国が禁止薬物に指定している。
■米国などで解禁も
一方で、医療活用を「解禁」した国や地域もある。がんの激しい痛みを和らげたり、エイズ患者らの食欲を増進させたりする効果がある、との見方もあるためだ。
米国では1996年、カリフォ…