ライトに照らされ、陥没現場の復旧工事が進んだ=8日午後5時26分、福岡市博多区、小宮路勝撮影
8日早朝、福岡市博多区のJR博多駅前で、市営地下鉄延伸の工事現場上の市道が陥没した事故で、市は、工事が原因だったとして謝罪した。掘り進めていた岩盤の上部が少しずつ崩れて水が漏れ出し、急激に陥没したと説明。岩盤が見込みよりもろかった可能性があるとみている。市幹部は「陥没対策に万全を期したつもりが万全でなかった。深く反省をしている」と述べた。
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市などの説明では、陥没現場は、地下水を含む砂や泥などの堆積(たいせき)層の下に硬い岩盤があり、地下約25メートルの岩盤層にトンネルを掘り進んでいた。まず幅9メートル、高さ5メートルの半円状のトンネルを掘り、幅15メートル、高さ7メートルまで徐々に広げていた。
ところが、8日午前4時25分ごろ、岩の表面がぽろぽろとはがれる「肌落ち」と呼ばれる異状に作業員が気づいた。コンクリートを吹きつけて対応したが、落ちる勢いに追いつかず、午前5時ごろには、トンネル上部の岩盤層で遮られるはずの地下水も漏れ出した。止めきれないと判断した作業員9人が地上に退避してすぐに陥没が始まった。市交通局は「何らかの原因で、想定よりもろかった岩盤が突き破られ、地下水がトンネルに流れ込んだ可能性がある」と説明した。
陥没した穴は約30メートル四方、深さ約15メートル。陥没によって壊れた下水管などから水が激しく流れ込み、周辺のビル10棟に一時避難勧告が出された。夕方には6棟は解除されたが、駅付近の一部のビルでは終日、停電が続いた。市は午後1時半からは、陥没場所にセメントを混ぜた土を流し込む埋め戻し作業を始めた。
現場は市営地下鉄七隈(ななくま)線延伸工事の「博多駅(仮称)工区」。九州の玄関口であるJR博多駅から西に約200メートルで、オフィスビルやホテル、飲食店が立ち並ぶ。
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