鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は11日、九州電力が川内原発(鹿児島県薩摩川内市)で行っている「特別点検」の視察を始めた。原発内に入るのは就任後初めて。原子力工学の専門家2人を同行させ、非常用電源設備や使用済み核燃料ピットなどの点検状況を確認する。
特別点検は、三反園知事が8、9月に川内原発の即時停止を要請した際、九電が要請に応じない代わりに実施を約束。10月に始まった1号機の定期検査と並行して追加で実施している。同行するのは、宇根崎博信・京都大原子炉実験所教授と、守田幸路・九州大教授。宇根崎氏は愛媛県の伊方原発環境安全管理委員、守田氏は原子力規制委員会のシビアアクシデント技術評価検討会のメンバーだ。
九電は、定期検査で停止中の1号機を12月8日にも運転再開する予定。三反園知事は当初、視察結果を県独自の第三者機関「原子力問題検討委員会」で確認してもらい、その上で運転再開について判断する考えだったが、まだ検討委設置に必要な議案を県議会に提出していない。10月28日の記者会見では「私がどう対応を取ろうとも、九電は稼働させていくことになる」と述べ、運転再開を事実上容認する姿勢を示した。