防護服を着た救急隊員らが傷病者をヘリコプターで搬送する訓練が行われた=13日午前、北海道共和町、佐久間泰雄撮影
北海道電力泊原発(泊村)の重大事故に備えた国の原子力総合防災訓練が13日、始まった。初めて津波による複合災害を想定し、がれきによる道路寸断への対応も訓練した。
泊原発の事故想定、総合防災訓練 首相、官邸で指示
泊3号機の運転中に北海道南西沖でマグニチュード7・8の地震が起き、大津波警報が発令されたとの想定。午前8時半に泊村では住民らが高台に避難した。
原発に近い標高25メートルにある集会所には近くの住民13人が徒歩で避難。次男が泊原発で働いている山内智枝さん(78)は「自宅からは1分。ここは高いから心配していない。村から配布された非常リュックは持ってこなかった」と話した。
泊原発から約1・5キロ離れた北電の体育館には近くの住民ら約30人が避難。安定ヨウ素剤に見立てた菓子を受け取った後、バスで約40キロ離れた留寿都村のホテルに移動した。70代の男性は「車は使わないようにという指示で自宅から10分ほど歩いて避難したが、津波が来るという状況だと、車で逃げたい気持ちになるかもしれない」と話した。
泊村の老人ホーム「むつみ荘」では、泊村役場職員が午後2時すぎにかけつけ、玄関口にある二つの自動ドアにビニールシートで目張りし、簡易の除染室をつくった。車いすに乗って要介護者に扮して避難してきた泊村茅沼の赤坂利昭さん(68)は「スムーズに避難できたが、独り暮らしのお年寄りが多いので、冬場や夜間ではどうなることか」と話した。
原発から約10キロ離れた共和…