相模原市緑区佐野川の知的障害者施設「藤野薫風」で、入所者の男性(42)が夕食中にゴム手袋をのみ込んで窒息死していたことが施設や神奈川県警津久井署への取材でわかった。手袋は食事の介助時に使われているもので、署は詳しい状況を調べている。
署や施設を運営する社会福祉法人ラファエル会によると、男性は8日夜、施設の食堂で夕食をとった後、突然倒れて搬送先の病院で死亡が確認された。のどからゴム手袋が見つかり、司法解剖の結果、死因はゴム手袋を誤ってのみ込んだことによる窒息死だった。
夕食時、約60人の入所者のうち28人が食事をし、職員6人が介助にあたっていた。男性は支援の度合いが最も高い「区分6」の知的障害があり、食事の介助を必要としたという。
施設の佐藤晃事務長は「男性は物を口に含もうとするので、注意をしていたが、当時は施設内でのけんかなどに職員が気を取られていた。大事な命が失われたことを重く受け止めている。これまで使用前のゴム手袋を机の上に置いていたが、事故後は誤飲を防ぐために離れた場所に置くなど対策をとっている」と話した。(天野彩)