米連邦捜査局(FBI)は14日、2015年に国内でヘイトクライム(憎悪犯罪)が5850件報告され、14年から約7%増えたと明らかにした。特に、イスラム教徒に対する犯罪は前年比67%増の257件で、同時多発テロが起きた01年以来の多さという。
米大統領選で排外的な主張を繰り返してきた共和党のトランプ氏の当選が決まってから、米国各地で宗教や人種に基づいた嫌がらせが報告されている。14日に発表された統計は15年が対象だが、選挙の前から、米国社会でこうした犯罪が増えていた可能性がある。
FBIによると、ヘイトクライムのうち人種や民族を理由とした犯罪が最も多く、計3310件。このうち最多は黒人への憎悪が理由となった事件で、1745件だった。また、宗教を理由とした事件は計1244件で、最も多かったのはユダヤ教徒への憎悪が理由となった664件だった。(ニューヨーク=中井大助)