厚生労働省は、現役世代並みの所得がある高齢者が介護保険サービスを利用した場合、自己負担する割合を現行の2割から3割に引き上げる検討に入った。膨らみ続ける介護費を抑制する狙い。3年に1度の介護保険制度の見直しにあわせた制度変更で、来年の通常国会で法改正をめざす。
介護保険サービスの利用料の自己負担割合は原則1割だが、単身で年金収入だけの場合なら年収280万円以上といった高齢者は昨年8月から2割に引き上げられた。今回は、年金収入だけで年収383万円以上の単身者など現役世代並みの所得がある人を対象に3割にすることを検討。利用者のうち数%が対象とみられる。この所得層の高齢者は医療保険の自己負担割合が現役世代と同じ3割になっており、介護の負担割合も同じ水準にそろえる。
2000年度の介護保険制度発足以来、高齢化に伴って費用は増え続け、すでに10兆円台になった。現役世代並みの所得がある人の負担を増やすことで制度の維持を図る。ただ、この所得層は自己負担割合が2割になったばかりのため、反発も予想される。