海の森水上競技場予定地(中央の水路)。右奥はお台場、都心方向=10月、東京都、本社ヘリから、嶋田達也撮影
東京都が2020年東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー会場として東京湾の埋め立て地で建設中の「海の森水上競技場」について、都は18日までに、工事をいったん中断することを決めた。経費節減のために会場計画の見直しが議論されており、今月末の国際オリンピック委員会(IOC)や国、大会組織委員会を交えた4者協議の結論を待つことにした。
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「海の森」は、これまで491億円(2014年段階)をかけて新設する計画だった。波の影響を抑えるため会場を堤防で閉め切る工事がすでに進んでおり、堤防を支える「くい」(最長で約50メートル)を海底に打ち込む作業を来週にも始める予定だった。
ボート・カヌー会場をめぐっては、コスト増の懸念などから小池百合子都知事の選んだ調査チームが宮城県登米市の「長沼ボート場」を代替地として提案。都の担当部局は、「海の森」のスタンドや艇庫の規模縮小で整備費が300億円前後に抑えられるとの見通しを示している。
小池氏は「海の森」の①費用削減案②仮設にする案③「長沼」案の計3案を、4者協議に提案した。今月末にも結論が出る見通し。