ファンの声援を浴びるウィリアムズ・メルセデスのマッサ(ブラジル)=ロイター
自動車のF1シリーズ、ブラジル・グランプリ(GP)の将来に暗雲が立ち込めている。
13日に閉幕した今年のブラジルGPは、今季限りの引退を表明している地元のフェリペ・マッサ(ウィリアムズ・メルセデス)の母国ラストランと、もう1人のブラジル人ドライバー、フェリペ・ナスル(ザウバー・フェラーリ)の今季初入賞で大きな盛り上がりを見せた。しかし、地元メディアは「これが最後のF1になるかもしれない」とため息をついている。
理由はリオデジャネイロ五輪後の景気悪化に伴うスポンサー離れだ。ブラジルGPは2020年までの契約があるが、相次ぐスポンサーの撤退によって、主催者は興行権を持つフォーミュラワン・マネジメント(FOM)に開催権料の値下げを打診しているものの、折り合いがついていない。
さらに10月に行われたサンパウロ市長選で、ブラジルGP開催に消極的だとされるブラジル社会民主党(PSDB)のジョアン・ドリア氏が大差で当選したことも逆風に。テレビのインタビューで新市長は「インテルラゴス・サーキットの民営化を積極的に行いたい」と語った。
13日の決勝でブラジルGP初優勝を飾ったルイス・ハミルトン(英国、メルセデス)は「もしもブラジルGPがなくなったら、本当に寂しい」と話し、伝統あるレースの存亡に気をもんでいる。(時事)