9月の試合中、選手に語りかける水野弥一・立教大シニアアドバイザー
日本アメリカンフットボール界の名将が、がんと闘い、76歳のいまも勝利への情熱を大学生に伝え続けている。かつて京大の監督で4度の日本一に導いた水野弥一さん。7月と9月に肺がんの手術を受けたが、フィールドへ戻ってきた。
水野さんは今春から、関東大学リーグ1部TOP8に所属する立教大のシニアアドバイザーをしている。今季は開幕4連敗したが、5戦目の明治大戦に41―10で快勝。次の中央大戦も勝って入れ替え戦出場を逃れた。最終戦となる26日の日体大戦を前に、水野さんは言う。「フットボールのやり方が、ようやく分かってきたんちゃうかな。どんどん成長してる。そういう意味ではうれしいわな」
今春からチームに合流。埼玉県志木市内のワンルームマンションと、妻と飼い猫が暮らす京都の自宅とを行ったり来たり。5、6月はほとんど埼玉にいた。
しかし7月の初め、初期の肺がんがみつかった。7月末に手術して親指の頭ぐらいの大きさの腫瘍(しゅよう)を切除した。京都で約2週間入院。夏場、リーグ戦に向けて大事な準備期間に、まったく練習に顔を出せなかった。「病気のことはショックでも何でもない。ただ、チームに申し訳なかった」。9月下旬にもう一度手術し、リーグ戦2試合に参加できなかった。
明大戦のあった10月29日か…