日本高校野球連盟は25日、大阪市内で理事会を開き、春夏の甲子園大会前にある甲子園練習への女子部員の参加について、ヘルメット着用を義務づけるなどの安全対策をとった上で、球場内の人工芝部分に限って活動を認めることを全会一致で決めた。来年1月にある春と夏の大会運営委員会での承認を経て、来春の第89回選抜大会の甲子園練習から実施される見込み。
女子マネ、甲子園練習中グラウンドに 大会本部が制止
練習参加が認められる甲子園の人工芝部分は、一、三塁側のベンチ前から外野のファウルグラウンドの一部に広がっている。これまで女子部員は練習中にベンチ外へ出ることができなかったが、外野付近でのノックのボール渡しや、ベンチ前へ出て用具整理などをすることが可能になった。ボールが行き交う本塁付近やフェアグラウンドは危険防止のため、従来通り、禁止とした。
甲子園練習への女子部員の参加を巡っては、今夏の全国選手権で、ノックの補助をしていた大分高の女子マネジャー(3年)が大会本部から制止されたのをきっかけに、日本高野連が参加の是非について議論を重ねてきた。竹中雅彦・日本高野連事務局長は「安全面に最大限配慮をした上で、十分な戦力となっている彼女たちになんとか報いる方法はないのかという思いが一番だった」と話した。
■甲子園練習で認められる女子部員の活動
・外野ノックのボール渡し
・ベンチ前に出てのタイムキーパーや用具整理
※ファウルグラウンドにある人工芝の範囲内、ヘルメット着用を義務づけ
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〈甲子園練習〉 春の選抜、夏の全国選手権では、大会前にグラウンドの広さや形状、雰囲気などを確認できるようにと、出場校に30分間ずつ、練習時間が割り当てられる。実戦に近く、防球ネットはベンチ付近に限られていた。公式戦の選手登録人数は春夏ともに18人までと定められているが、甲子園練習は35人まで参加できる。