民間シンクタンク「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」は30日、都市部で緑が豊かで生物多様性が保たれている自治体ランキングを発表した。1位は大阪府能勢町などが同率で7自治体。生物多様性保全に熱心に取り組む自治体で1位になったのは、埼玉県戸田市など4自治体だった。
国土交通省の指標を元に、都市計画区域での緑地の割合や、都市計画への住民や企業の参加などについて、データやアンケートから全国665自治体を分析し、順位付けした。
その結果、生物多様性の豊かさなどを評価したランキングで1位になったのは、「ヒロオビミドリシジミ」などの希少なチョウがすむ里山を保全する能勢町のほか、栃木県茂木町、同県那須町、岐阜県恵那市、兵庫県猪名川町、奈良県宇陀市、広島県竹原市の7自治体となった。
また、自治体の生物多様性保全の取り組みの評価で1位になったのは、野生生物の宝庫だった湿原「戸田ケ原」の復活を目指し、自然再生に取り組む戸田市のほか、川崎市、神戸市、兵庫県伊丹市の4自治体だった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの西田貴明さんは「一定の緑地が残る自治体は順位が高い傾向にあった。都市域の生物多様性を見直すきっかけにしてほしい」としている。(小堀龍之)