献花をして手を合わせる遺族=山梨県大月市笹子町黒野田、代表撮影
9人が亡くなった中央自動車道笹子トンネル(山梨県大月市)の天井板崩落事故から4年となる2日、遺族や中日本高速道路の幹部ら計約60人が、事故の起きた午前8時3分、大月市の事故現場とトンネル出口付近の仮設テントで黙禱(もくとう)をささげた。
次女の石川友梨さん(当時28)を亡くした信一さん(67)=神奈川県横須賀市=は1日、友梨さんが事故前に最後に寄った山梨県内の温泉を訪れるため、妻の佳子さん(58)と車で笹子トンネルを通過した。信一さんは「4年がたっても恋しさ、いとしさが募るばかり。何もいらないから、友梨に会いたい」。
信一さんら遺族が中日本高速などに損害賠償を求めた民事訴訟は、会社側の過失を認めた横浜地裁判決が今年1月に確定した。だが、「事故原因や責任の所在はいまだにわからないまま。再発防止は本当にかなうのか心配だ」という。
山梨県都留市で営まれた追悼慰霊式には、中日本高速に事故後に入社した社員が初めて参列。遺族の要望に応じて今年から式の様子は中日本高速の本社、支社などで中継で放送された。(黒石直樹)