職場の上司のマイナンバー通知カードの情報を不正に取得したとして、警視庁は2日、東京都練馬区上石神井1丁目、会社員江川修平容疑者(25)をマイナンバー法違反(管理を害する行為)の疑いで逮捕し、発表した。同庁によると、昨年10月に施行された同法違反容疑で逮捕者が出るのは全国で初めてという。
サイバー犯罪対策課によると、江川容疑者は今年2月26日夕、当時勤務していた会社のネットワークから上司の女性のパソコンに侵入。保存されていた女性の通知カードの画像データをコピーし、個人番号を取得した疑いがある。会社のセキュリティーシステムの不備を利用して女性のパソコンにアクセスしていた。入手したデータは社内のサイトに公開していたという。江川容疑者は「画像は取得したが、ウイルススキャンをかけるためだった」と容疑を否認している。会社から相談を受け、警視庁が捜査していた。
同法では不正アクセス行為や窃盗、脅迫などの手段で他人のマイナンバーを入手する行為を禁じている。今年3月には香川県警が、知人女性のマイナンバー通知カードを許可なく撮影したとして、別の事件で逮捕されていた50代の男を同法違反容疑で追送検した。