ドゥテルテ比大統領
トランプ次期米大統領は2日、フィリピンのドゥテルテ大統領と電話会談し、ワシントンとニューヨークを訪問するようドゥテルテ氏を招待した。比大統領府が明らかにした。ドゥテルテ氏の6月末の就任以来、冷え込んでいた両国関係が「雪解け」となるのかが注目される。
特集:ドナルド・トランプ氏
ドゥテルテ氏も来年、議長国として東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会合を開くフィリピンへの訪問を求めた。比大統領府によるとドゥテルテ氏は「親密さを感じた」といい、「我々と米国の絆は確かなものだと伝えた」とコメントした。
麻薬犯罪撲滅を掲げるドゥテルテ氏が就任後、フィリピンでは密売人らの殺害が続き、オバマ米大統領は人権問題だと批判。反発するドゥテルテ氏がオバマ氏に暴言を吐き、9月には首脳会談が中止になった。フィリピンは中国との間で南シナ海問題を抱えており、同盟国の米国との関係悪化が懸念されていた。ドゥテルテ氏は、「(トランプ氏は)麻薬撲滅の取り組みを気にかけ、励ましてくれた」とし、「我々が国を守る取り組みに米国は干渉しないと彼は言いたかったのだと思う」との見解を示した。(シエムレアプ〈カンボジア北西部〉=鈴木暁子)