4日の国民投票の結果を受け、辞任を表明したレンツィ首相=AP
イタリアのマッタレッラ大統領は5日、4日の国民投票の結果を受けて辞意を表明したレンツィ首相と大統領府で面会し、2017年の予算が国会を通過するまで辞表の提出を延期するよう要請した。
国民投票敗北、イタリア首相が辞意 「改憲反対」が優勢
大統領府の声明によると、レンツィ氏は辞意を伝えたが、マッタレッラ氏は予算可決の必要があると主張したという。予算案はすでに下院を通過しており、ANSA通信によると、週内にも上院での審議を経て成立する見通しだ。
レンツィ氏の正式辞任後に解散総選挙となるか、後任の首相を指名して総選挙を回避するかは、マッタレッラ氏が与野党と協議の上で決定する。国民投票の結果を追い風にしたい野党は、早期総選挙の実施を求めている。伊メディアは、選挙管理内閣の組閣の可能性が高いとしており、後任の首相にはパドアン経済財務相、フランチェスキーニ文化相らの名前が取りざたされている。
上院の権限を大幅に縮小する憲法改正案の是非を問うた国民投票は、反対59・11%、賛成40・89%(内務省集計)で否決された。レンツィ首相は5日未明に会見し、敗北を認めた。(ローマ=山尾有紀恵)