大阪府河内長野市で今年5月、車がダム湖に転落し、5人が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた舗装工東川健義被告(27)=同府枚方市=の初公判が6日、大阪地裁堺支部(武田義徳裁判長)であった。東川被告は「記憶がないので正直、全くわからないです」と述べた。
起訴状などによると、東川被告は5月29日午後2時30分ごろ、河内長野市の府道で、眠気に襲われているのにワンボックス車の運転を続け、居眠り状態で滝畑ダムに転落。同乗の5人を死亡させたとされる。
検察側の冒頭陳述によると、東川被告は現場の約300メートル手前から大幅に中央線を越えて走行したと説明。現場付近にタイヤ痕やブレーキ痕はなく、事故後の採血で、眠気や注意力の低下などが起きる精神安定剤の成分が検出されたと指摘した。
一方、弁護側は「運転したことや、その結果については争うものではない。しかし、この状態で運転を中止できたか判然とせず、過失があったという点は疑問がある」と主張した。