講演後に記者会見する日本銀行の岩田規久男副総裁=7日午後、長崎市
■岩田規久男・日本銀行副総裁
マネタリーベース(市場に流すお金の量)は将来も拡大を続けると改めて強調したい。長期金利の操作は、日銀が多額の国債買い入れを行うことで初めて実現できる。(9月に決めた)新たな政策の枠組みについて「政策の軸足を『量』から『金利』にシフトするものだ」との理解は適切ではない。量と金利の両面から強力な金融緩和を推進する点に全く変化はない。
(国債の年間買い増し額について)80兆円を「めど」としたのは、微調整の範囲だ。量を減らすとか、そういうことでは決してない。
(2%の物価目標を2年程度で達成できなければ「最高の責任の取り方は辞職」と就任前に国会で答弁したことについて)達成できないと自動的に辞任だと言ったことは一回もない。ところが、世の中でずっとそうとられている。そうでなくて、責任の取り方には段階がある。間違った政策をやったために達成しないなら辞任というのが本意だ。
消費の弱さや原油価格の下落などで物価は実際に下がった。これは言い訳ではなく、事実。政策が間違ったために目標達成が遅れたということではないと思うので、説明責任は十分に果たしている。いろんな逆風が吹かなければ、2年以内に達成したのではないかと思っている。(長崎市での講演と記者会見)