薬物事件の捜査書類を偽造して携帯電話の通話履歴を違法に差し押さえたとして、警視庁は8日、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部の麻薬取締官、奥村憲博容疑者(46)=横浜市青葉区=を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と述べ、容疑を認めているという。
組織犯罪対策5課によると、奥村容疑者の逮捕容疑は2~4月、覚醒剤事件の捜査で、協力者の男(50)=覚醒剤取締法違反罪で起訴=の証言を偽造して供述調書を2通作成。それをもとに横浜簡易裁判所から捜索差し押さえ令状を取り、別の人物の携帯電話の通話履歴を差し押さえたというもの。この捜査で逮捕者は出ていないという。
奥村容疑者を調べるきっかけは、同課が9月、覚醒剤約378グラム(末端価格2646万円相当)を所持していたとして、協力者の男を覚醒剤取締法違反(営利目的所持)の疑いで逮捕したことだった。男の交友関係を調べた結果、奥村容疑者と頻繁に連絡を取っていたことが判明した。
奥村容疑者の身辺やこれまでの…