ノーベル賞の授賞式が10日夕(日本時間11日未明)、スウェーデンの首都ストックホルムで開かれ、大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が医学生理学賞を受賞した。文学賞に選ばれた米国のミュージシャン、ボブ・ディランさん(75)は授賞式を欠席した。平和賞の授賞式はノルウェーの首都オスロであり、南米コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領(65)が受賞した。
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サントス氏は、半世紀続いた左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)との内戦の終結に向けて和平協議を主導し、合意にこぎ着けた功績が評価された。サントス氏は受賞演説で「戦争は終わった」と宣言。「争いと不寛容にむしばまれたこの世界で、和平合意は希望の光だ。その光がどうか世界中を照らしますように」などと語り、大きな拍手を浴びた。
大隅さんは、オートファジー(自食作用)という細胞内のたんぱく質などを分解・再利用する仕組みを解明したことが評価された。
授賞式を欠席したディランさんに代わり、米国人ロック歌手のパティ・スミスさん(69)がディランさんの名曲「はげしい雨が降る」を歌った。(オスロ=田村剛、ストックホルム=南宏美)