海岸付近に「不時着」したオスプレイ=14日午前9時5分、沖縄県名護市安部、朝日新聞社機から、時津剛撮影
13日午後9時50分ごろ、米軍の垂直離着陸機オスプレイが不時着水した、と米軍嘉手納(かでな)基地から第11管区海上保安本部(那覇市)に連絡があった。11管や防衛省などによると、不時着水したのは午後9時半ごろで、場所は沖縄県名護市安部(あぶ)の海岸近くの浅瀬。機体は大破し、乗員5人は救助されたが、2人はけがをしているという。
「民家近くで怖い」 浅瀬に横たわるオスプレイ、現場は
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11管によると、乗員は米軍の別のヘリがつり上げて救助したという。現場は海岸から数十メートルの岩礁上で、集落から約300メートルほど。機体は大きく破損しており、14日午前現在、満ち潮でほとんど水没している。
米海兵隊の広報担当者によると、このオスプレイは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を飛び立ち、訓練した後に普天間に戻る予定だった。
防衛省によると、オスプレイの不時着事故は国内で初めて。稲田朋美防衛相は14日未明、「コントロールを失った状況ではなく、パイロットの意思で着水したと聞いている」と話した。
オスプレイをめぐっては、米軍が2012年10月以降、普天間飛行場の老朽化した輸送ヘリに代えて順次24機を配備した。米国内で事故が相次いでいたことなどから、沖縄県内では「安全性に不安がある」と強い反発が起き、12年9月には配備反対の県民大会に10万1千人(主催者発表)が集まった。県や宜野湾市など県内の自治体は現在も配備撤回を求めている。
不時着現場について、沖縄県警や11管には当初、在沖米軍から「うるま市沖」との連絡が入り、パトカーや巡視船艇が向かった。実際の着水現場は20キロ以上、北側だった。