女子500メートルで2位になった李相花=白井伸洋撮影
韓国で「氷速女帝」と呼ばれるスピードスケーター李相花(イサンファ、27)は、フィギュアスケートバンクーバー五輪金の金姸児(キムヨナ)さんに代わる冬季競技の「顔」だ。女子500メートルでバンクーバー、ソチと五輪2連覇を達成し、来年2月に韓国で開かれる世界距離別選手権での優勝を今季の目標に掲げる。2018年平昌五輪が集大成の舞台になる。
プレシーズンの今季は、11月中旬のワールドカップ(W杯)中国ハルビン大会が初戦。2レースを戦い最高順位は2位だった。続くW杯長野大会では小平奈緒のタイムを上回れず、再び2位。それでも表情は明るく、「ここには合わせていない。まだトレーニングという感じ」。本調子ではない李を、今季W杯4勝の小平は「サンファがベストの状態になっても戦えるよう、さらにレベルを高めていかないといけない」と警戒する。
李は「本当はソチで競技人生を終えるつもりだった」という。軟骨がすり減った左ひざは、滑走するたびに痛みが伴う。だが、母国開催の五輪のために現役続行を決断した。今では平昌五輪の広報大使も務め、「韓国での五輪を宣伝するのも私の役割」と話す。
五輪3連覇を達成すれば、この種目ではボニー・ブレア(米、1988年、92、94)以来の偉業だが、李は自然体を貫く。「私にはすでに二つの金がある。期待を背負いタフなレースになると思うけど、とにかく楽しみたい。表彰台には上がらないとね」(榊原一生)