ハウス栽培の小松菜を収穫するタイ出身の技能実習生=前橋市
海外に技術を伝えることを目的として、1993年に始まった外国人技能実習制度。製造業から農業、漁業など多様な現場を支えてきた一方、劣悪な労働環境が国内外から批判を浴びてきた。現在の実習生は約21万人。受け入れ企業などは、監督が強化される新制度がどう運用されるのか強い関心を寄せている。
技能実習生の待遇差別禁止へ 「日本人と同等以上に」
赤城山の裾野に田畑が広がる前橋市の郊外。長さ約30メートルのハウス内で12月上旬、タイ出身の実習生の男性2人が手早く小松菜を収穫していた。来日して2年半のワンチャイさん(28)は日本の農協の仕組みに興味があるといい、「多くの野菜の植え方を覚えて、タイで生かしたい」と話す。
受け入れ先の農家石田隆幸さん(52)は十数年前に公務員を辞めて家業を継いだ。もとは家族での経営だったが、数年前から実習生を受け入れた。通年での生産につながり、売上高は自身が始めたときの2・5倍に。「安定的に人手を確保できる実習生は戦力になる」と話す。
成立した技能実習制度適正化法…