集会で研究内容を説明する参加者=6日、浜松市、川見能人撮影
筑波、信州、静岡、山梨の4大学が連携し、山を総合的に管理できる専門家の育成に来春、乗り出す。気候変動や林業の衰退で国内の山も影響を受けており、幅広く課題を解決できる人材を育てるのが目的だ。プログラム自体が世界的にも珍しいといい、担当者は「将来的には知見を世界に輸出したい」と意気込む。
4大学が始めるのは「山岳科学学位プログラム」という大学院生向けの教育課程。山岳をめぐる様々な授業が用意され、1年次では地形や気象、生物多様性、地域経済などの基礎を学ぶ。地球温暖化の影響を演習林で調べるなどの実習は1、2年次ともにあり、必修と選択を合わせると、計100以上の授業がある。
学生はいずれかの大学に属しながら、他大学の授業も映像システム経由で受けることができ、単位も取れる。4大学が共同で行う授業もある。筑波大は来春から新学位の「修士(山岳科学)」を用意するが、他の3大学も検討中だ。募集人員は計40人で、卒業後は森林管理局の職員や国立公園で働くレンジャー、NGOへの就職などを想定しているという。
プログラムの開始に合わせ、筑波大では研究部門の「山岳科学センター」を来春発足させる。生命環境系の研究者39人が属し、共同研究を進めることなどを想定。山岳科学の修士号は世界的にも珍しいといい、同大は将来的には同センターで得られた研究成果やカリキュラムを海外の大学に輸出したいとしている。
今月6、7日には、これまでの…
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