さっぽろ雪まつりの「すすきの会場」で展示される「魚氷」=すすきの観光協会提供
来年2月に札幌市で開かれる「さっぽろ雪まつり」で、すすきの会場の氷像「魚氷(さかなごおり)」が展示されない可能性が出てきた。北九州市のスケートリンクで、氷漬けの魚の上を滑る企画が批判された影響だ。会場を運営する「すすきの観光協会」は21日に対応を協議する。
観光協会によると、魚氷は1984年から33回にわたって続いている。カニやサケ、ホッケなど北海道ゆかりの魚が透き通った氷の中で泳ぐ様子を表現し、観光客にも人気だという。
今年11月、北九州市のテーマパーク「スペースワールド」がスケートリンクに約5千匹の魚介類を埋めたところ、インターネットなどで「残酷」と批判されて中止に追い込まれた。これを受け、観光協会内では「今回は魚氷を中止した方がいいのではないか」との声が上がっているという。
これまで「かわいそう」といった批判が寄せられたことはないといい、協会関係者の一人は「魚氷はあくまで鑑賞用で、魚を踏みつける形になるスケートリンクと違う。残酷という批判はあたらず、過剰反応ではないか」と話す。
雪まつり実行委員会長を務める星野尚夫・札幌観光協会長は「雪まつりは公的な色彩の強いイベントだ。伝統も大切だが、世間の声を聴き、時流に合わせて変わっていくことも求められていると思う」と指摘する。すすきの観光協会の熊谷真佐人事務局長は「賛否両論あり、会員の意見をよく聴いて判断したい」と話している。