14日夜に公開されたイプシロン2号機の機体。打ち上げ予定時刻は20日午後8時。午後5時すぎに組み立て棟(右)から姿を見せる予定だ=14日、鹿児島県肝付町
固体燃料ロケット「イプシロン」2号機が20日夜、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は同日朝から発射場の通信系や搭載する探査衛星の点検などを進めた。地元では、3年3カ月ぶりのイプシロン打ち上げに期待が高まっている。
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JAXAによると、朝の作業は順調に進んだ。2号機は午後5時過ぎに組み立て棟から姿を現し、最終準備に入る。打ち上げ予定時刻は午後8時だ。
人口約1万6千人の肝付町は、打ち上げを見に来るファンのために、観測所周辺に見学場を4カ所、駐車場を約1万人分用意した。夕方には専用のツアーバス16台も到着する。
2013年夏の初号機打ち上げでは町内のスーパーの食べ物が売り切れたという。今回は見学場に軽食などのブースを多く設け、特産品を使った7種類の「イプシロンの里弁当」を1200食用意した。町観光協会の加治木智子事務局長は「お祭りのような雰囲気で楽しんでもらえれば」。
元婦人会長の橋本雅子さん(82)は、46年前から成功を祈願する千羽鶴をロケット関係者に贈り続けている。「みんな家族のようなもの。打ち上げの日を迎えられてうれしい」。自宅の玄関前から打ち上げを見守る。(小林舞子)