年末に半数近いテナントが閉店するセルシー=豊中市新千里東町1丁目
大阪府豊中市の千里ニュータウンの中心部にあり、1972年にできた大型商業施設「セルシー」の半数近い店舗が、年末で閉店する。所有者側は賃貸契約を更新しない姿勢を示しており、来春以降さらに立ち退く店が増える可能性がある。所有者側から事情説明はなく、関係者は困惑している。
セルシーはゼネコンなどが開発し、ローマのコロッセオを模した造りで地下1階、地上6階建て延べ約6万5千平方メートル。当初は映画館もあり、近畿一円からの買い物客でにぎわった。新人歌手の登竜門として知られる屋外ステージの「セルシー広場」では、光GENJIや松浦亜弥も歌った。
現在は衣料品やスーパー、飲食店など約100店舗が入っているが、老朽化も進んでいる。
1階フロアの一角では、雑貨店など多くの店が「閉店セール」の紙を掲げる。ある女性客は「セルシー全体を取り壊すのではないかと店の人から聞いて驚いているが、よく分からない。なくなれば不便になる」と不安そうに話した。
テナント関係者によると、6月ごろから賃貸契約を更新しないとの通知が施設側から届き始めた。建物の耐震不足を理由に挙げているが、建て替えなど今後の方針の説明はなく、所有者の委託を受けた管理会社が各テナントと交渉しているという。
所有者は現在、不動産登記上は…