殺処分のため、鶏舎に向かう県職員ら=20日午前4時6分、宮崎県川南町川南、小出大貴撮影
宮崎県川南町の養鶏場で確認された高病原性鳥インフルエンザの発生は、ブロイラー生産日本一を誇る県内の関係者に衝撃を与えた。現場では防護服に身を包んだ県職員らが殺処分を進め、感染拡大防止に全力を注いだ。
12万羽の殺処分開始 宮崎の高病原性鳥インフル
「遺伝子検査陽性」の発表から約3時間後の午前4時。県職員約200人がマスクやゴーグルをつけて順次、養鶏場に入って殺処分にとりかかった。午前5時には陸上自衛隊員約180人も加わった。
最初に養鶏場に入った県職員らが休憩のため戻ってきたのは午前6時半。ある男性職員(24)は鶏が詰められたバケツを殺処分場へ運んだという。「ふだん食べる鶏を無心で殺さないといけない。生産者は想像できないほどの悲しみや悔しさがあると思う」
現場から約2キロにある採卵用の養鶏場を営む男性(60)は「卵は捨てざるを得ない。どの農家も神経をとがらせてきたが、こればっかりはしょうがない。周辺の道路も消毒し、何とか被害を食い止めたい」。
県は感染阻止と被害拡大防止の…