感染性胃腸炎の患者数の推移
国立感染症研究所は20日、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者報告数が直近の1週間(12月5~11日)で、1医療機関あたり19・45人だったと発表した。前週の17・37人からの伸びは小さいが、今季も含めた過去10シーズンで最も流行した2012年のピーク時(19・62人)に迫る水準。専門家は、こまめな手洗いや嘔吐(おうと)物などの適切な処理を呼びかけている。
ノロウイルスどう防ぐ?手洗い徹底、トイレふたして流す
感染研によると、全国約3千カ所の小児科など定点医療機関から報告された患者数は、11日までの1週間では6万1547人で、前週を6671人上回った。1医療機関あたりだと、19・45人と昨季のピーク時の2倍ほどで、猛威がなお続いている。最近では06年に22・81人だった週がある。
直近1週間の1医療機関あたりの患者数を都道府県別にみると、山形が45・37人と最多で、宮城41・44人、埼玉30・89人、東京27・24人、三重26・18人、宮崎26・03人、福井25・23人、神奈川24・75人、兵庫23・51人、千葉22・88人、富山20・93人、静岡20・92人、愛知20・52人など。13都県で、警報レベルとされる20人を上回った。
今シーズンでこれまでに検出されたノロウイルスの大半は、近年流行していなかったタイプ。免疫がない子どもがかかりやすいとみられ、各地の幼稚園や保育所、小学校などで集団感染が相次ぎ、学級閉鎖や休校も出ている。(小川裕介)