米次期大統領のトランプ氏は24日、関係する慈善団体「トランプ財団」を解散させる意向を表明した。大統領としての職務との利益相反の印象を与えないためとしている。同財団は資金集めの方法などをめぐって問題が指摘され、ニューヨーク州当局が捜査を続けている。
米大統領選、両候補の財団火種 違法活動や癒着の可能性
トランプ氏は声明で同財団について「これまでいくつもの立派な団体に何百万ドルも貢献してきた」と述べたうえで、利益相反の印象を与えないため、解散のための手続きを進めるよう、弁護士に指示したと表明した。ただ、解散時期は明示していない。一方、捜査をしているニューヨーク州司法長官は米メディアに「捜査が続いている限り、解散はできない」との見解を示した。
同財団については10月、ニューヨーク州法で定められている登録をしないまま献金を呼びかけていたとして、司法長官が州内での資金集めの差し止めを通達し、過去の記録の提出も求めていた。また、財団の資金を使って政治献金が行われたことや、トランプ氏の関連企業の和解のために財団の資金が流用されたことが、ワシントン・ポスト紙の報道で明らかになっている。(ニューヨーク=中井大助)