昨年の社会人野球のベストナインに日立製作所の新人が２人選ばれた。内野手・田中俊太（２３）＝東海大出＝と外野手・菅野剛士（２３）＝明大出。２人とも一昨年のプロ野球ドラフト会議で指名されず、悔しさをぶつけた１年だった。

田中俊は１番を務め、安定した打撃で年間打率３割６分４厘を残した。菅野は４番。打率は２割９分５厘だったが、準優勝した都市対抗での勝負強い打撃が光った。

２人は２０１１年春の選抜大会で優勝した神奈川・東海大相模高のメンバーで、互いに刺激し合ってきた。そして、ともに、先にプロで活躍する存在が身近にいる。田中俊の兄は広島で活躍する広輔。昨年のリーグ優勝に大きく貢献した。「プレーが似ていると言われるが、何一つ勝っていない。目標です」。菅野は明大の同級生が阪神の高山俊で、小中学時代のチームメートが楽天の茂木栄五郎。「気になる。負けたくない」と言う。

２人とも、今年秋のドラフトで指名されることを目指している。田中俊が社会人１年目を「プロは試合数が多い。年間通して戦える体を身につけるために、試合に出続けることを目標にした」と振り返ると、菅野は「プロでも通用するように強い打球を意識した」と話した。（坂名信行）