甲子園ボウルの表彰式で、トロフィーを手にする関学大主務の石井=高橋雄大撮影
アメリカンフットボールの日本一を決める第70回ライスボウル(朝日新聞社など主催)で、富士通(社会人代表)に敗れた関西学院大学(学生代表)。試合後、目を真っ赤にして泣く4年生の中に、「やりきりました。新しいことにチャレンジさせてもらって、幸せでした」と語る選手がいた。主務を兼任した石井宏典(こうすけ)(4年)だ。
大学スポーツ界で事務作業の中心的役割を果たす主務を選手が兼任することは珍しいことではない。ただ、部員が200人を超える関学大では、極めて異例。自身も主務を経験し、現在は関学大職員としてチームを支える石割淳アシスタントディレクター(40)は「多分、選手との兼任は史上初」という。1941年に創部し、日本の学生アメフット界を引っ張ってきた関学大では前例がなかった。
関学大アメフット部の主務は事務作業をこなすだけではない。求められるのは「部員の模範」になること。グラウンドでは大声を張り上げ、ミスを犯した選手を怒鳴ることもある。グラウンド外では全部員にマナーや礼儀を徹底させる。石割ADは「学生の責任者」と表現する。
今までは主に4年生のマネジャ…