豚肉のソテーと蒸し野菜=合田昌弘撮影
いよいよ受験シーズンを迎えました。しっかり体を目覚めさせるためにも、朝ごはんは大事です。簡単にできて受験生も喜ぶ朝ごはんのメニューを料理研究家で、朝日新聞生活面掲載の「料理メモ」でもおなじみの渡辺あきこさんに教わります。
合格ごはん
渡辺さんもかつて、息子の大学受験を経験しました。「白いご飯に、肉や魚を焼いたもの、みそ汁」は渡辺さん宅の朝ごはんの定番でした。
豚肉のソテーは、肉や魚が好きだった息子のためによく作ったメニュー。塩コショウをして焼くだけですが、「少しでも肉や魚があると満足感が増すんです」と渡辺さん。豚の薄切り肉はいつも買い置きが冷凍庫にあったそうです。前の晩の残りの刺し身にしょうゆをまぶして焼いて出すこともありました。
朝はみんな忙しいものです。「わたしも毎朝、朝ごはん用におかずを作っていたわけではありません。晩ごはんの残りや作り置きの常備菜を活用しました。みそ汁も時間がなければインスタントでもいいんです」
豚肉のソテーの付け合わせにした蒸し野菜は、時間のあるときにまとめて蒸し、保存容器に入れて冷蔵庫に常備しておくと便利です。今回は豚肉に添えたほか、みそ汁の具としても使っています。
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管理栄養士の清水加奈子さんのアドバイス
午前中から頭をしっかり動かすために朝ごはんはきちんと食べましょう。炭水化物とたんぱく質の両方をとることを薦めます。ご飯やパン、シリアルなどに含まれる炭水化物は糖質と食物繊維で構成されており、糖質は脳のエネルギーになります。肉や魚、大豆製品に含まれるたんぱく質は体温を上げるので、体や脳の動きを活発にします。
ご飯に卵や納豆をそえれば、簡単に炭水化物とたんぱく質をとることができます。パンならスクランブルエッグやゆで卵、シリアルなら牛乳と組み合わせてもよいでしょう。
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■豚肉のソテー
【材料=2人前】
豚こま切れ肉160グラム
サラダ油少々
【作り方】
①豚肉は広げて塩、コショウ少々をふる。
②フライパンを熱し、サラダ油少々をなじませる。豚肉を広げて入れ、中火で炒める。
■蒸し野菜
【材料=作りやすい分量】
ジャガイモ1個
ニンジン1本
ブロッコリー1個
カボチャ100グラム
【作り方】
①ジャガイモは皮をむき、厚さ1センチの輪切りにして水につける。ニンジンは長さを半分にしてから縦半分に切り、縦に厚さ1センチに切る。ブロッコリーは小房に分け、さらに縦半分に切る。カボチャは厚さ1センチのいちょう切りにする。
②蒸気のあがった蒸し器の中敷きに①を並べ、中火で蒸す。5分たったらブロッコリーを取り出し、残りの野菜をさらに10分蒸す。
③保存容器にうつし、冷蔵庫で保存する。
■カボチャのみそ汁
【材料=2人前】
蒸したカボチャ100グラム
だし汁1.5カップ
みそ大さじ1と3分の1
【作り方】
鍋にだし汁を入れて温め、蒸したカボチャを加えてみそを溶き入れ、一煮立ちさせる。
蒸し野菜を作っておけば、肉のソテーに添えたり、みそ汁の具として加えたりできるので便利。