スパーリングをする吉田沙保里(左)
女子レスリングの強豪、至学館大が6日、練習を公開した。リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子、同69キロ級金メダルの土性(どしょう)沙羅は世界選手権ではまだ手にしていない金メダルを目指し、精力的に体を動かした。同53キロ級で銀メダルを獲得した後、練習から遠ざかっていた卒業生の吉田沙保里も参加した。
「怖がって腰が引けているよ!」。昨秋から日本女子のコーチも兼任する吉田は序盤、後輩の指導にあたった。だが、昨年12月の全日本選手権53キロ級を制し、「ポスト吉田」と期待される19歳の向田(むかいだ)真優からスパーリングを申し込まれると、スイッチが入った。
試合と同じ6分間の手合わせ。吉田は4カ月間の休養がうそのような機敏な動きで、足を触らせる場面はほとんどなかった。残り30秒を切ってから向田の背後に回って得点する場面も。現時点で吉田は「今年は試合(に出ること)は考えていない」というが、向田に「本当に強くて、五輪前と全然変わっていなかった」と言わしめた。(金島淑華)