羽生善治三冠=2016年12月26日、東京都渋谷区、堀英治撮影
プロアマ、女流の棋士たちが早指しで実力ナンバーワンの座を競う第10回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)が14、15の両日、熊本市で開かれる。熊本地震からの復興を祈念した公開対局となる。本戦に出場する16人中、熊本対局に臨むのは3連覇中の羽生善治三冠(46)、福岡市出身の佐藤天彦名人(28)を含む8人。羽生三冠、佐藤名人、開催を決めた日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)に意気込みや被災地への思いを聞いた。
「『火の国』と言われているくらいですから、熊本は人情味に厚い人が多い。情熱で復興を成し遂げて欲しい」。羽生三冠は対局で10回近く熊本県を訪れたほか、二十歳の頃には九州一周の鉄道旅行で阿蘇などに立ち寄ったという。
特に思いを寄せるのが熊本城。2009年の名人戦第2局を戦った本丸御殿や数寄屋丸も地震で石垣が崩れるなどの被害を受けた。「(御殿の)完成後に対局できたのは、いい思い出。地震で大きな被害に遭ったことに心を痛めている。棋士の力は微力だが、一歩一歩前進して一日も早い復興を願っている」
今回の大会は4連覇がかかる。…