産婦人科医の退職で昨夏から1人態勢になった種子島産婦人科医院。医院側は「一日も早く2人態勢に戻したい」=鹿児島県西之表市、神元敦司撮影
離島やへき地で働く医師を育て、医師不足の解消を目指す試みが始まっている。都会から離れても知識や技量を高める機会を確保し、安定した収入を約束。赴任期間も区切る。福岡の救急医が豪州の仕組みを参考に研修プログラムをつくり、4月に1期生の6人が離島へ赴任する。
離島やへき地には一般的に、大学の医局や特定病院が若手を中心に「派遣」しているが、敬遠されがち。幅広い知識や経験が必要なうえ、交代が少ないので研修参加が制限されやすいことなどが背景にある。ただ、条件が整えば赴任をいとわない医師もいる。
新たなプログラムを作ったのは齋藤学医師(42)。順天堂大を卒業後、救急医や総合診療医として鹿児島県の徳之島などで働いた経験がある。3年前に合同会社「ゲネプロ」を福岡県宗像市で設立。離島やへき地でも各科で診察できる医師が多い豪州の教育プログラムなどを参考にした。
参加医師は1年間、ゲネプロと…