熊本地震では住民らと協力し、避難所の体育館に畳を敷いた=2016年4月、熊本県益城町、プロジェクト実行委員会提供
災害が起きたら、避難所に畳を無料で届けます――。「5日で5000枚の約束。」と銘打ったプロジェクトが各地に広がっている。約500の畳店が参加。昨年4月の熊本地震では6千枚以上を届けた。企画したのは阪神・淡路大震災で被災した神戸の畳店主だ。
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プロジェクトの事務局長を務めるのは、神戸市兵庫区の「前田畳製作所」社長、前田敏康さん(46)。22年前は銀行員で、住んでいた同市東灘区の寮が半壊した。実家は兵庫県三木市の畳屋。震災後に「畳で憩いの空間を作りたい」と思って翌年に実家の店で働き出し、独立した。
2011年の東日本大震災。体育館の冷たい床の上で身を寄せる被災者の姿をテレビで見た。支援したいが、混乱の中で畳を送るのは迷惑にならないか。そう思った経験から、支援の仕組みを作っておこうと考えた。
全国の畳店と協力し、発生から…