環境省が温泉の硫化水素ガスの測定を自治体に求めた初の全国調査で、5道県市の33浴槽で国の基準値を超える濃度が報告されたことがわかった。同省は安全対策のあり方が不十分だったとして基準の見直しを進めており、測定方法などを示した新たな指針を定める方向で検討している。
同省は「通常の入浴方法なら、健康被害が出るレベルとは考えていない」としており、個別の施設名や数値は明らかにしていない。安全対策を指導するよう自治体に要請し、濃度が下がらない場合は浴槽の使用停止を求める方針だ。
硫化水素をめぐっては、北海道足寄町の温泉旅館(休業中)で2014年10月、入浴客1人が中毒とみられる症状で重体に陥った。その前にも2人が入浴中に亡くなり、道警が経緯を調べている。この問題が昨年秋に報じられたのを機に、同省が全国の自治体に調査を求めた。
同省によると、硫化水素のもと…